恐らく誰もが???となった疑問
かなりニッチなルール解説になります
/所要時間3分
効果適用の重複ルールについて
事の発端はINFINITE FORBIDDENで登場した新たな手札誘発《マルチャミー・プルリア》でした。
1ターンに2度、効果を発動できるということで「2枚発動すれば、一度の召喚・特殊召喚で2ドローできるのでは?」と一部では囁かれていました。
ただ、似たような残存効果をもつ《氷結界の鏡》の裁定に照らし合わせてみると恐らくできないだろうと考えられており、私もこちらがルール的にも正しいと思っていました。
しかし、発売後に「《マルチャミー・プルリア》を2枚発動すれば、1度の召喚・特殊召喚で2ドローできる」という裁定が確定しました。
これには困惑。理解はできてもなぜそうなるのか全く説明できませんでした。
多くの決闘者が今もモヤモヤしている通り、この2枚の裁定の差を説明するのはめっちゃ難しいです。
私も無駄に悩んでいたのですが、ようやくルールの齟齬がないことが判明したので共有していきます。
なんかの呪文???
何言っているのか…
なぜ効果の適用に重複する効果と重複しない効果があるのか?
できるだけ分かりやすくしたから興味があったら読んでみてね
カードのおさらいとDB詳細
《マルチャミー・プルリア》
星4/水属性/水族/攻 100/守 600
このカードの効果を発動するターン、自分はこのカード以外の「マルチャミー」モンスターの効果を1度しか発動できない。
(1):自分・相手ターンに、自分フィールドにカードが存在しない場合、このカードを手札から捨てて発動できる。
このターン中、以下の効果を適用する。
●相手が手札からモンスターを召喚・特殊召喚する度に、自分は1枚ドローする。
●エンドフェイズに、自分の手札が相手フィールドのカードの数+6枚より多い場合、その差の数だけ自分の手札をランダムにデッキに戻す。
《氷結界の鏡》
速攻魔法
(1):このターン中、相手が発動したモンスターの効果でカードが除外される度に、そのカードがどこから除外されたかによって以下の効果を適用する。
●自分の手札:相手の手札をランダムに2枚まで除外する。
●自分フィールド:相手フィールドのカードを2枚まで除外する。
●自分の墓地:相手の墓地のカードを2枚まで除外する。
重複の見分け方
この2枚は発動後にチェーンブロックを作らずに残存効果が適用される部分が共通します。
また、《増殖するG》のように同名ターン1制限が存在しないため、通常は起きえない同名カード効果の適用の重複が起きえます。
しかし、冒頭で述べたように効果の適用の重複には違いがあります。
この差を生み出しているのは上記テキストの赤アンダーラインの部分です。
もう少し分解すると下記のようになります。
この2枚はそもそも「適用の条件」と「効果の適用」が全然違うんですね。
《マルチャミー・プルリア》の召喚カウントも全て効果の適用内で行われているということです。
もしも、《マルチャミー・プルリア》が以下のテキストならば2枚発動しても1枚しかドローできなくなります(エンド時の効果は省略)。
このカードの効果を発動するターン、自分はこのカード以外の「マルチャミー」モンスターの効果を1度しか発動できない。
①:自分・相手ターンに、自分フィールドにカードが存在しない場合、このカードを手札から捨てて発動できる。
このターン中、相手が手札からモンスターを召喚・特殊召喚する度に以下の効果を適用する。
●自分は1枚ドローする。
「適用の条件」と「効果の適用」に違いがあるのは分かったよ
でも、《氷結界の鏡》ってなんで重複しないの?
適用条件が満たされているのに2度適用されないのか私分かんなーい
理解が早い上になかなか鋭いわね…
ここからは推測になるけれど回答してみるわ
《氷結界の鏡》はなんで重複しないの?
なぜ《氷結界の鏡》は効果が重複しないのか。
上記のQ&Aを元にして何が起きているのかを分かりやすくしていきます。
- 相手の《氷結界の龍トリシューラ》の効果①にチェーンして、《氷結界の鏡》を2枚発動。
- チェーン終了後、逆順処理で《トリシューラ》の効果で自分の手札1枚が除外される。
- その効果処理の直後に《氷結界の鏡》(A)が適用条件を満たし、《氷結界の鏡》(A)の効果を適用して相手の手札を2枚を除外する。
- 《氷結界の鏡》(B)は何も処理を行わずに不発で終わる。
特定の行動で適用条件を満たすタイミングは恐らく1度しかありません。
《氷結界の鏡》(A)の適用条件を満たすと、《氷結界の鏡》(B)の適用条件を満たすタイミングがなくなっているみたいな感じです。
残存効果かつ適用条件が設定されていること自体が極めて稀で、ルールの小さなバグみたいな感じで残っているというのが近いんじゃないでしょうか。特殊裁定ではない…と思う。
ちなみに《マルチャミー・プルリア》や《増殖するG》などは効果の適用タイミングが個別に存在しているために併用可能です。
ほとんどの残存効果は無条件で適用されるので、《氷結界の鏡》が異例だったというのが分かればOK。
これで大体の疑問は片付いたのではないでしょうか?
死ぬほど難しかったー、チョコ食べよ
ところでこの知識ってどこかで使うの?
「マルチャミー」が活躍したら話のタネにでも…
私のモヤモヤが解消されたからそれでいいのよ。
まさか……ただの雑学?GWだよ?
それならクラゲ眺めてた方が良かった
今度は絶対ビアンカ水族館連れてってよね!
まとめ
《マルチャミー・プルリア》と《氷結界の鏡》の違いについて説明しました。
「適用条件」と「効果の処理」の重複の違いについても紐解いてみましたが、どうでしょうか?
長年プレイしていてもこれを即座に理解・説明できる決闘者はいないと思います。
ちょっとでもモヤモヤ解消になれば幸いです。最後までありがとうございました!
もし、ルールに詳しいという方がいらっしゃったら補足・修正していただけると嬉しいです。
コメント