時代の始まりと終わりを作ったカード
第10期を代表するカードがついに禁止!
/所要時間3分
《水晶機巧-ハリファイバー》禁止
2022年7月のリミットレギュレーション改定で《水晶機巧-ハリファイバー》が禁止カード指定されました。
登場から4年半。カジュアルデッキからガチデッキまで幅広いデッキで使われてきており、汎用カードという枠をこえてインフラカードと呼べるほどに現在の遊戯王OCGに欠かせないカードとなりました。
禁止カードになるということはカードパワーがデザイナーの許容範囲を超えたということを指します。
個人的には1枚のカードが背負う役割が大きくなりすぎたというのが近いような気がします。
この記事では
●なぜハリファイバーが禁止になったのか
●評価を見直した方がよいカード
を軽く紹介していきます。
禁止になった理由
全体の多様性を損なうカードになってしまった
《水晶機巧-ハリファイバー》は当初はシンクロ召喚のサポートとしてデザインされましたが、デメリットを持たなかったためにリンク召喚の繋ぎとしての使われ方も多いカードでした。
【閃刀姫】を始めとしたデッキで《水晶機巧-ハリファイバー》⇒《神聖魔皇后セレーネ》⇒《アクセスコード・トーカー》のキル展開は有名ですね。
または《幻獣機アウローラドン》に繋げて連続シンクロ召喚に繋げていくという使われ方がメジャーになりました。
これらに加えて「スプライト」の登場で、《ギガンティック・スプライト》によるエクシーズ召喚、《スプライト・エルフ》での墓地蘇生が加わり、展開の幅もさらに増えました。
他には《アーティファクト・デスサイズ》を用意して《TG-ワンダー・マジシャン》で破壊してEXデッキ封じしたり、ペンデュラムチューナーをリクルートした後《軌跡の魔術師》でPスケールを整えるということもできますね。
どの使い方も禁止カードにするほどの決定打には欠けるものの、それぞれが全体の多様性を損なう動きであるというのはデザイナー側も少なからず意識していたでしょう。
ただ、《ハリファイバー》の場合は多様性を損なうものの、選択肢は常に増やしてくれるという珍しいカードだったために禁止にするタイミングが難しかったという感じでしょうか?
質の高いシンクロサポートを作りにくかった
ハリファイバーの登場以降、レベル3以下のチューナーのカードパワーはハリファイバーから特殊召喚するとアドバンテージが伸びないように、いずれも調整されいます。
また、チューナーを直接するサポートはほとんどデザインされてこなかったことが分かります。
その後に登場した【相剣】や【ベアルクティ】【アダマシア】を見る限り、いつハリファイバーが禁止指定してもあまり影響が出ないように、ハリファイバーの脱却をコンセプトに作られています。
強化された【ドラグニティ】や【スターダスト】なども同様です。
これらを見ると分かるのですが、《ハリファイバー》が救済していたのは過去のシンクロテーマの動きになります。
【TG】や【魔轟神】、【X-セイバー】など《ハリファイバー》が前提で成立している動きがあり、これらは大幅な弱体化を余儀なくされます。
古いテーマであればあるほど《ハリファイバー》の恩恵は大きいんですよね。
シンクロを下支えするサポートカードを今後も作っているためにも《ハリファイバー》は禁止した方がいいという結果に繋がったのではないかと思います。
デザイナー側の都合でもありますが、高すぎる汎用性は後続のデザインの支障にも繋がるので仕方ないことではあります。
《ラヴァルバル・チェイン》や《サモン・ソーサレス》あたりがいい例になってくれそうですね。
評価を見直した方がいいカード
数えきれないほどのカードに影響があるので一部の例として挙げていきます。
《深海のディーヴァ》等の1枚初動カード
召喚時にチューナーと非チューナーを用意できるモンスターはいくつかの種類がいますが、大きく汎用性を落とすことになります。
《深海のディーヴァ》はまだ役割が多い方なので影響は少ないほうです。
ハリファイバーを1枚で出せるから強かった組み合わせだったのであって、出せないとなると手札事故との兼ね合いを考えれば自然に選択肢から外れやすくなります。
低レベルのシンクロを連続して繋げていくよりも、エース級のシンクロを直接シンクロしていく方が動きが完結していて強いので、シンクロ召喚のデザインは少しずつそちらにシフトしていくと思っています。
《幻獣機アウローラドン》
リンク3/風属性/機械族/攻2100
【リンクマーカー:左/下/右下】
機械族モンスター2体以上
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。
自分フィールドに「幻獣機トークン」(機械族・風・星3・攻/守0)3体を特殊召喚する。
このターン、自分はリンク召喚できない。
(2):1ターンに1度、自分フィールドのモンスターを3体までリリースして発動できる。
リリースしたモンスターの数によって以下の効果を適用する。
●1体:フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
●2体:デッキから「幻獣機」モンスター1体を特殊召喚する。
●3体:自分の墓地から罠カード1枚を選んで手札に加える。
大量展開の要として一緒に活躍していたカード
リンク2から出せなくなったことで出せるデッキはだいぶ絞られてきます。
一応《警衛バリケイドベルグ》でリペアすることはできますが、これまで以上に《幻獣機オライオン》を適当に2枚突っ込むわけにはいかないので母数自体はだいぶ減るでしょう。
ハリファイバーとアウローラドンは同時期に使えるカードとしては禁止級の組み合わせだったため、ようやく本来のカードパワーを取り戻したともいえます。
それでもパワーカードであることには変わりはないですけどね。
《星杯の神子イヴ》(禁止)
星5/水属性/魔法使い族/ATK1800/DEF2100
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードをS召喚する場合、自分フィールドの「星杯」通常モンスター1体をチューナーとして扱う事ができる。
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「星遺物」カード1枚を手札に加える。
②:S召喚したこのカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
自分のデッキ・墓地から「星杯の神子イヴ」以外の「星杯」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
かつて《ハリファイバー》と共に環境を荒らしたシンクロチューナー
《リンクロス》との組み合わせが凶悪で、膨大なアドバンテージを取っていました。
しかし、最近のカードパワーインフレを見ていると《ハリファイバー》も《リンクロス》も亡き時代ではせいぜいパワーカード止まりだと思います。
《源竜星-ボウテンコウ》が問題なく使われていることを見ても、シンクロ召喚の初動役として制限にしてもいい気はします。
相変わらず人気も高いカードですし使いたい人は多そう。
まとめ
ハリファイバーの禁止化は一つの時代の終わりであり、新たな始まりでもあります。
ますます加速し続けている遊戯王OCGですが、これをきっかけに大きく流れが変わってくるでしょう。
最近のカードデザインを見る限りEXデッキのパワーをデフレさせて、メインデッキのパワーをインフレさせているような気がします。
「ティアラメンツ」とか「スプライト」とかやりすぎですけどね。
最後になりましたが、当サイトでは《ハリファイバー》の記述を含む記事が100記事を超えています。
マスターデュエルでのプレイヤーも半数を占めている以上、一斉更新するわけにもいかないので、主要なサポートの記事では2022年末まで残すこととします。
今後とも「Vrains-Library」をよろしくお願いします!
ハリファイバー今までありがとー!
いつかまた帰ってきてねー!
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