昔からある難解なルールの一つ
テキストに要注目!
/所要時間3分
「制約」と「誓約」
遊戯王OCGは発動するための条件としてカード効果にデメリットが付属する場合が多いカードゲームです。
発動した後にデメリットが発生するものがあったり、発動前からデメリットを許容する必要があったりと初心者泣かせなルールとなっており、テキストを読むだけでは分かりにくい部分でもあります。
今回はその発動条件のデメリットを『HUNTER×HUNTER』の「制約」と「誓約」になぞらえて説明してきます。
しっかり覚えるとルールミスがなくなり、プレイがより洗練されてくるのでぜひ覚えてみてください。

HUNTER×HUNTER?
はやく暗黒大陸編の続きよみたいなー

そういえば「遊戯王|カルドセプト」って念能力あったわね
今回はハンター試験並みに難しいから頑張ってついてきてね
そもそも「制約」と「誓約」って何?
まずは分かりやすい例から紹介しましょう。
《強欲で金満な壺》と《金満で謙虚な壺》のテキストが比較しやすいのでこちらを参考にしてみます。
黄色のアンダーラインが「制約」、赤色のアンダーラインが「誓約」です。
(1):自分メインフェイズ1開始時に、自分のEXデッキの裏側のカード3枚か6枚をランダムに裏側で除外して発動できる。
除外したカード3枚につき1枚、自分はドローする。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分はカードの効果でドローできない。
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はカードの効果でドローできない。
(1):EXデッキからカード3枚か6枚を裏側で除外して発動できる。
除外した数だけ自分のデッキの上からカードをめくり、その中から1枚を選んで手札に加え、残りのカードを好きな順番でデッキの下に戻す。
このカードの発動後、ターン終了時まで相手が受ける全てのダメージは半分になる。
《強欲で金満な壺》は「制約」のみが存在し、《金満で謙虚な壺》は「制約」と「誓約」の両方があります。
同じく『カードの効果でドローできない』というデメリットがあるのですが、よくテキストを確認すると『このカードの発動後』と『このカードを発動するターン』と書き方に違いがあることが分かります。
これによって…
・発動後にデメリットがあるものを「制約」
・発動前からデメリットがあるものを「誓約」
と区別することができます。
図解するとこんな感じ
・発動前まではデメリットなし
・発動した効果処理後に「制約」が適用される。
・発動に対して「制約」行動を含むチェーンブロックを組むことができる。
・カード効果を無効化された場合、「制約」も適用されない。
・発動を無効化された場合、「制約」も適用されない。
・発動前に一度でも「誓約」を破ると、同一ターン中では発動できない。
・ターンの始まりから「誓約」を順守しなければ発動できず、発動後も同様に「誓約」が適用される。
・発動した効果処理前から「誓約」が適用される。
・発動に対して「誓約」行動を含むチェーンブロックを組むことができない(相手プレイヤーも)。
・カード効果を無効化された場合、「誓約」は適用される。
・発動を無効化された場合、「誓約」も適用されない。

…むり☆

これから一つずつかみ砕いていくからね
もうちょっとがんばろ?
具体的な処理の違い
さきほどの2枚の壺を使いつつ、3つの例を紹介して「制約」と「誓約」の違いについて説明していきます。
例1:ドローフェイズ終了時に《手札断殺》を発動した場合
ドローフェイズ終了時に《手札断殺》を発動した場合は
・《強欲で金満な壺》:発動できる
・《金満で謙虚な壺》:発動できない
という結果になります。
自分が使用した場合でも、相手が使用した場合でも同じ結果となります。
《手札断殺》はあまり見かけないかもしれませんが、ランク9《永の王 オルムガンド》やランク5《アーティファクト-デュランダル》などは遭遇する機会がありますのでご注意ください。
例2:相手が《魔宮の賄賂》で妨害しようとしている場合
相手に1ドローする効果を含む《魔宮の賄賂》でこの2枚を妨害しようとしていると…
・《強欲で金満な壺》:発動を無効化できる(同時に「制約」も消える)
・《金満で謙虚な壺》:相手プレイヤーは《魔宮の賄賂》を発動できない
ということになります。
「制約」は発動した効果処理後から適用されるのに対して、「誓約」は発動した直後(効果処理前)から適用されます。
「制約」にはデメリットに該当することでもチェーンブロックを組めるのに対し、「誓約」はデメリットに該当するチェーンブロックすら組めないので《魔宮の賄賂》を発動できなくなります。
違う例も合わせて紹介しましょう。
仮に《魔宮の賄賂》ではなく《神の宣告》で発動を無効にされた場合は、「制約」「誓約」ともに適用されません。
発動が『初めからなかった』ことになるから「制約」「誓約」も『初めからなかった』ことになるというわけです。
例3:《灰流うらら》で効果を無効化しようとしている場合
発動は通るけど、発動したカード効果のみを無効化するパターンです。
・《強欲で金満な壺》:コストを支払い、ドローできない(「制約」も消える)
・《金満で謙虚な壺》:コストを支払い、手札に加えられない(「誓約」のみ残る)
《エフェクト・ヴェーラー》などで《教導の大神祇官》や《ふわんだりぃず×ろびーな》などを無効化した場合も同様です。
さっきも言いましたが、「制約」は発動した効果処理後から適用されるのに対して、「誓約」は発動した直後(効果処理前)から適用されます。
つまり、効果処理が無効化されて行えなければ「制約」は適用されません。
対して、「誓約」は効果の無効の有無にかかわらず適用されてしまうということです。
「制約」と「誓約」のテキスト例
大きく分けると4種類に分けられます。
一度覚えてしまえば簡単なので見分ける際の参考にしてみてください。
・『このターン、~』
・『このカードの発動後、』
・『このカードを発動するターン、~』
・『(このカードを発動するターン、~)』
星4/地属性/天使族/攻1400/守1400
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の墓地にモンスターが存在しない場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードが特殊召喚した場合に発動できる。
手札・デッキから「マドルチェ・プティンセスール」以外の「マドルチェ」モンスター1体を特殊召喚する。
そのモンスターのレベルは1つ下がる。
このターン、自分は「マドルチェ」モンスターしか特殊召喚できない。
(3):このカードが相手によって破壊され墓地へ送られた場合に発動する。
このカードをデッキに戻す。
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):デッキから「ラビュリンス」モンスター1体を特殊召喚する。
このカードの発動後、次のターン終了時まで自分は悪魔族モンスターしかデッキ・EXデッキから特殊召喚できない。
(2):このカードが墓地に存在する状態で、自分の通常罠カードの効果でモンスターがフィールドから離れた場合に発動できる。
このカードを自分フィールドにセットする。
この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。
星1/水属性/鳥獣族/攻 600/守1200
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、この効果を発動するターン、自分はモンスターを特殊召喚できない。
(1):このカードが召喚に成功した場合に発動できる。
デッキからレベル4以下の鳥獣族モンスター1体を手札に加える。
その後、鳥獣族モンスター1体を召喚できる。
(2):表側表示のこのカードはフィールドから離れた場合に除外される。
(3):このカードが除外されている状態で、自分フィールドに鳥獣族モンスターが召喚された場合に発動できる。
このカードを手札に加える。
星4/光属性/魔法使い族/攻1600/守 800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドのモンスターが、存在しない場合またはXモンスターのみの場合に発動できる(この効果を発動するターン、自分は「エクソシスター」モンスターしか特殊召喚できない)。
このカードを手札から特殊召喚し、デッキから「エクソシスター・エリス」1体を特殊召喚する。
(2):自分か相手のカードが墓地から離れた場合に発動できる。
「エクソシスター」Xモンスター1体を自分フィールドのこのカードの上に重ねてX召喚扱いでEXデッキから特殊召喚する。
「制約」と「誓約」の処理の違い
攻撃宣言・バトルフェイズを行えない
「制約」:攻撃宣言・バトルフェイズを行った後でも発動できる。
例:《バハムート・シャーク》《撃滅龍 ダーク・アームド》
「誓約」:攻撃宣言・バトルフェイズをすでに行っていた場合は発動できない。
ただし、先行1ターン目のようにルール上攻撃できない状況では発動可能です。
例:《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》など
発動ターンに○○しか召喚・特殊召喚できない
「制約」:発動する前であれば他のモンスターを召喚・特殊召喚できる
例:《紅き血染めのエルドリクシル》《ギガンティック・スプライト》など
カテゴリ:「オルフェゴール」「キラーチューン」「海造賊」など
「誓約」:発動前から他のモンスターを召喚・特殊召喚できない
例:《スケープ・ゴート》《エクソシスター・マルファ》《ジャンク・スピーダー》など
カテゴリ:「ドライトロン」「エニアクラフト」
これらの「制約」と「誓約」を逆手にとり、《原始生命態ニビル》の発動にチェーンして発動すると、フィールドのモンスターを全てリリースした後で《ニビル》が特殊召喚できずに手札に留まるというコンボもあります。
他には《バリアンズ・カオス・ドロー》にチェーンしてX召喚を封じて素材のみをフィールドに無理やり残すなどがありますね。
チェーンブロックの組み方次第ではまだ誰も思いついていないコンボを創造できるかもしれません。

なんか最初の壺の時と言ってること違くない?
「誓約」でチェーンブロック組めないのになんでニビル発動できるの?

さっきは「誓約」⇒《魔宮の賄賂》をチェーンしてたでしょ?
今回はニビル⇒「誓約」のチェーンだから順番が逆なのよね
このチェーンブロックの組み方は絶対に間違えないようにね!

ニビルで「君達まとめてこれ一枚で十分かな♣︎」
ってやりたいから頑張って覚えよ…
「制約」と「誓約」に似た召喚条件
星8/炎属性/悪魔族/攻3000/守2500
このカードは通常召喚できない。
相手フィールドのモンスター2体をリリースした場合に相手フィールドに特殊召喚できる。
このカードを特殊召喚するターン、自分は通常召喚できない。
(1):自分スタンバイフェイズに発動する。
自分は1000ダメージを受ける。
《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》等の『召喚条件による誓約』持ちのカードもごくわずかに存在しています。
《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》は「誓約」に近いのですが、召喚条件による特殊召喚を《神の通告》などで無効化されて破壊された後でも通常召喚権は失われてしまいます。
他のカードはともかく使用頻度が高い《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》だけでも覚えておいてください。
まとめ
「制約」と「誓約」の違いでした。今回はとくに難しかったと思います。
でも、熟練のプレイヤーでも正確に説明できる人は少ないはずなので安心してください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
コメント
こうして見ると調べなきゃどっちか分からない効果のもあって紛らわしいですね。
初心者なんか絶対に間違えてしまう。
いつもコメントありがとうございます
「制約」と「誓約」はみんなふんわりと覚えているような気がします。
初心者でもすぐに分かるようなルール解説を目指したいものです。