初心者がよく間違えやすい効果とコスト
新規プレイヤーに教える時の説明にもどうぞ!
/所要時間3分
効果処理とコスト
遊戯王OCGでつまづきやすいポイントの一つ「効果処理」と「コスト」
「効果処理」と「コスト」の概念を知らないとまともにプレイができないのでとても重要な概念です。
9期以降のテキスト整備によって随分と分かりやすくなりましたが、依然としてコストという文字はどこにもなく、目印となるアイコンもありません。
見分け方を知らないとこのカードは効果処理なんだろうか?それともコストなんだろうか?といちいち迷うことになってしまいます。
迷える初心者が少しでも減るように書いてみました。復習したいプレイヤーもどうぞ!
よくある間違い
《トロイメア・フェニックス》をリンク召喚!
手札の《暗黒界の龍神 グラファ》を捨てて、魔法・罠1枚を破壊!
続けて《グラファ》の捨てられた場合の効果でカード1枚を破壊だよ!
まってまって!
《暗黒界の龍神 グラファ》の効果はコストでは使えないわ
ちゃんと[カードの効果で捨てられた場合]ってテキストに書いてあるでしょ?
でも、《トロイメア・フェニックス》の方にはコストとか書いてないよ?
どうやって見極めるの?
8期以前の再録のないカードは少し難しいけれど
簡単に見分ける方法はあるわ!
基礎ルールだからしっかり覚えてね!
キャラクター:Voiced by CoeFont.CLOUD
コストって何?
・コストとはカード・効果を発動するために必要な行動の事である。
・コストは発動する際に払わなければならず、たとえそのカード・効果の発動が無効になっても払ったコストは戻らない。
・プレイヤーは、必要となるコストが払えない場合にはそのカード・効果を発動することができない。
・コストはカードの効果の扱いではない。
・特にカードテキストに指定がない限り、コストは自分がコントロールするカードからしか払えない。引用:パーフェクトルールブック2017
一言でいえばコストとはカードの発動や効果を発動するために支払う通行料のようなものです。
手札コスト・墓地コスト・ライフコスト・リリースコスト・X素材を取り除く等の種類があり、カードテキストに記されたコストを支払わない限りは原則カードの発動、効果の発動をすることができません。
全てのカードに何らかのコストが付属しているわけではなく、効果発動に一切のコストが指定されていないカードもあります。
コストのないカードは《死者蘇生》や《封印の黄金櫃》など通常魔法を例にすると分かりやすいですね。
肝心のコストを支払うカードをどうやって見極めるかは実例を挙げて紹介していきます。
先ほどの《トロイメア・フェニックス》を見ていきましょう。
リンク2/炎属性/悪魔族/攻1900
【リンクマーカー:上/右】
カード名が異なるモンスター2体
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨て、相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
この効果の発動時にこのカードが相互リンク状態だった場合、さらに自分はデッキから1枚ドローできる。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドの相互リンク状態のモンスターは戦闘では破壊されない。
9期以降のカードでは「~して発動できる(する)」というテキストの前に記されているならコスト、後に記されているなら効果という風に覚えると簡単です。
《トロイメア・フェニックス》は発動できるの前なのでコストということになりますね。
手札コストだけでなく、墓地コスト・リリースコスト等も同じです。
なるほどー、これなら簡単だね!
もうバッチリだよ。
それじゃあテストでもしてみましょうか
中には難しいカードも入っているわよ
急に抜き打ちテストやるの?
効果とコストの小テスト
問1:手札コスト編
●以下のカードから「手札コストを払っているか」「効果処理で手札を捨てているか」判断せよ
《アルバスの落胤》
星4/闇属性/ドラゴン族/攻1800/守 0
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、手札を1枚捨てて発動できる。
融合モンスターカードによって決められた、このカードを含む融合素材モンスターを自分・相手フィールドから墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
この効果で融合召喚する場合、このカード以外の自分フィールドのモンスターを融合素材にできない。
《ウィッチクラフト・ハイネ》
星7/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1000
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドの他の魔法使い族モンスターは相手の効果の対象にならない。
(2):手札から魔法カード1枚を捨て、相手フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
《バージェストマ・ディノミスクス》
(1):フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
手札を1枚捨て、対象のカードを除外する。
(2):罠カードが発動した時、その発動にチェーンしてこの効果を墓地で発動できる。
このカードは通常モンスター(水族・水・星2・攻1200/守0)となり、モンスターゾーンに特殊召喚する(罠カードとしては扱わない)。
この効果で特殊召喚したこのカードはモンスターの効果を受けず、フィールドから離れた場合に除外される。
これくらい楽勝だよ
コスト・コスト・効果処理でしょ?
正解!ちょっと簡単すぎたかしら
次はもう少し難しい問題よ
問2:エクシーズ素材編
●「コストでX素材を取り除いているか」「効果処理でX素材を取り除いているか」判断せよ
《ガガガガマジシャン》
ランク4/闇属性/魔法使い族/攻2000/守2000
レベル4モンスター×2
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのX素材を1つ取り除き、「ガガガガマジシャン」以外の自分の墓地のXモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを効果を無効にして特殊召喚する。
(2):このカードを素材として持っている「未来皇ホープ」Xモンスターは以下の効果を得る。
●このカードのX素材を2つ取り除き、自分フィールドのXモンスター1体を対象として発動できる。
ターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力は4000になり、効果は無効化される。
《クロノダイバー・リダン》
ランク4/闇属性/サイキック族/攻2400/守2000
レベル4モンスター×2
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のスタンバイフェイズに発動できる。
相手のデッキの一番上のカードをこのカードの下に重ねてX素材とする。
(2):自分・相手ターンに発動できる。
このカードのX素材を3種類(モンスター・魔法・罠)まで取り除く。
その後、以下を適用する。
●モンスター:このカードをエンドフェイズまで除外する。
●魔法:自分はデッキから1枚ドローする。
●罠:相手フィールドの表側表示のカード1枚を選んで持ち主のデッキの一番上に戻す。
《No.41 泥酔魔獣バグースカ》
ランク4/地属性/悪魔族/攻2100/守2000
レベル4モンスター×2
このカードのコントローラーは、自分スタンバイフェイズ毎にこのカードのX素材を1つ取り除く。
取り除けない場合、このカードを破壊する。
(1):このカードはモンスターゾーンに攻撃表示で存在する限り、相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。
(2):このカードがモンスターゾーンに守備表示で存在する限り、フィールドの表側表示モンスターは守備表示になり、守備表示モンスターが発動した効果は無効化される。
《ガガガガマジシャン》はコスト
《クロノダイバー・リダン》は効果処理
うーん、《バグースカ》は何だろう?
どっちでもないような気がする
少しずつ分かってきたようね。
《クロノダイバー・リダン》は【ティアラメンツ】で応用されているわ
《バグースカ》は維持コストと呼ばれる特殊なものよ。後で紹介するわね。
問3:コストの支払い方について
《マジシャンズ・ソウルズ》
星1/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札にある場合、デッキからレベル6以上の魔法使い族モンスター1体を墓地へ送り、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカードを特殊召喚する。
●このカードを墓地へ送る。その後、自分の墓地から「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」1体を選んで特殊召喚できる。
(2):自分の手札・フィールドから魔法・罠カードを2枚まで墓地へ送って発動できる。
墓地へ送った数だけ自分はデッキからドローする。
効果②はコストって分かるけれど…
効果①はデッキから墓地へ送るコストがあるってこと?
そう。数は少ないけれどデッキからコストにするカードもあるのよ
じゃあ、これを踏まえて問題に答えてみてね
●フィールドに存在する《大天使クリスティア》によって特殊召喚が封じられています。
《マジシャンズ・ソウルズ》の効果①でデッキから墓地へ送るコストは払える?払えない?
ただし、特殊召喚できないため[●自身を墓地へ送る。その後~]を選択することになり、《ブラック・マジシャン》等を特殊召喚することはできずに効果処理が終わる。
●フィールドに存在する《マクロコスモス》によって墓地へ送られるカードが除外されてしまいます。
《マジシャンズ・ソウルズ》の効果①を発動することはできる?できない?
●《マジシャンズ・ソウルズ》の効果①でデッキから《幻想の見習い魔術師》を墓地へ送り、自身を特殊召喚しようとしたところ、相手の《屋敷わらし》で妨害され発動を無効にされました。
《マジシャンズ・ソウルズ》はその後どうなるでしょう?
《屋敷わらし》は発動を無効にするだけで破壊しないため。
急に難しくなりすぎなんだけど!
最後なんて筆記じゃん
ちょっと難しかったけれど、実践で役に立つ大事なことよ
《禁じられた一滴》などでも応用が利くわ
維持コストについて
このカードのコントローラーは、自分スタンバイフェイズ毎に800LPを払う。
またはLPを払わずにこのカードを破壊する。
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
自分の手札・墓地からレベル4以下の「捕食植物」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
その名の通りにコストを支払わないとフィールドに維持できずに自壊するカード群です。
主にリリースコストやライフコストが設定されていることが多く、維持コストはカード効果ではないため《スキルドレイン》等で無効化されることもありません。
代表的なカードとして「コアキメイル」や「アモルファージ」、《No.41 泥酔魔獣バグースカ》などがいます。
テキストからは読み取りにくい要素なため、現在は新しいカードで用いられなくなりつつあります。
また、一見維持コストに見えるものの間違えやすい例として《ユベル》や《L・G・D》といったカードも存在します。
カード効果をコピーした場合のコストはどこへ?
星10/闇属性/天使族/攻2500/守2900
自分は「堕天使イシュタム」を1ターンに1度しか特殊召喚できず、その(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札からこのカードと「堕天使」カード1枚を捨てて発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
(2):1000LPを払い、自分の墓地の「堕天使」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
その魔法・罠カードの効果を適用する。
その後、墓地のそのカードをデッキに戻す。
この効果は相手ターンでも発動できる。
代表的な例でいえば【堕天使】ですね。
一部のモンスターは墓地の「堕天使」魔法・罠カードの効果を自身のモンスター効果として使用できる共通効果をもちます。
結論からいえば、カード効果をコピーした場合はコピー元のあらゆるコストを払う必要がなくなります。
つまり、《堕天使イシュタム》の効果②は自身のライフコスト1000を払うだけで、墓地の「堕天使」魔法・罠のコストを無視して適応できるということですね。
「堕天使」は比較的特殊な効果をしているため他のルールにも絡んでくるのですが、それについてはいずれ…
基礎ルールについての補足
《マクロコスモス》下では墓地送りのコストを払えないということが分かりました。
テキストに記されている通りにコストを払えないとカードの発動・効果の発動ができないという基本ルールに引っかかるというわけですね。
細かな部分を知っておくとデッキ構築に役立ったり、重大なプレイミスを防ぐことができます。
プレイミス防止まとめ
・《マクロコスモス》や《虹光の宣告者》などでカードを墓地へ送ることができない場合、墓地送りコストを払うことができない。
・そもそも墓地へ送ることができないトークンや、フィールドから墓地へ送れないペンデュラムモンスター等もコストに使うことはできない(《ゾンビキャリア》など自己蘇生後に除外されるモンスターも墓地へ送れなければ同様)。
・コストで処理するため《RR-アルティメット・ファルコン》のような[他のカード効果を受けない]テキストを持ついわゆる完全耐性モンスターもリリースできる(他コストでも同様)。
・テキストに明記されていない限り、裏側表示のカードもコストにできる。
・EXデッキから特殊召喚されるモンスターはコストにできない(メインデッキに入るペンデュラムモンスターは除く)。
・自身のライフを上回るライフコストを支払うことはできない。
まとめ
カード効果とコストの違いについてでした。
大体のカードは分かりやすくなったとはいえ、勘違いして覚えてしまうことも多々あるのでしっかりテキスト確認するのが大事ですね。
少しでも理解に近づけたなら幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました!
効果処理もコストも分かると面白いね
うまく使いこなせるとカッコいい!
【堕天使】使えるようになりたいなー
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