デッキビルドを思考から再構築していくシリーズ
第1弾はドロー!
/所要時間5分
デッキビルド講座 ドロー編
遊戯王OCGには自分でデッキを1から作る楽しみ方があります。
初心者からいきなり1からのデッキビルドをするのは難しいですが、要点さえ押さえておけば、徐々に理想的なデッキを組みやすくなります。
そんなオリジナルデッキを組みたいデッキビルダー向けに基本となる考え方を紹介していきます。
あくまで私の考え方が軸ですが、参考にしていただけると嬉しいです。それではどうぞ!
よく使われるドローソースについてはこちらの記事でも紹介しています。合わせてどうぞ!


はい!新しくオリジナルデッキ組みたいです!
でも、うまく回らずによく負けちゃうんだよね

デッキビルドにはコツがあるのよ。
セオリーくらいは知っておいたほうがいいかもね
ドローは何をするためにある?

結論から言うけれど、『ドローは手段であって目的ではない』わ
手札を整えるためにドローソースを採用するのよ

どんなにドローしても採用しているカードが弱かったら勝てないもんね
ドローすると気持ちがいいからつい忘れちゃうなー
現代の遊戯王OCGにおいてドローソースは大きく分けて3つの役割をもちます。
①初動札を引き込む確率を少しでも上げるため
②手数を増やし、相手の妨害を乗り越えるため
③サーチの難しいカードを引き込みやすくするため
カードゲームなので特殊な戦術以外では手札は少ないよりも多い方が当然良いです。
本来、ドローソースはデッキの枚数を減らし、戦術の再現性を高めるためにあります。
しかし、遊戯王OCGでは他のカードゲームと違い、このセオリーがあまり通用しません。
理由は環境の高速化・リスクの高さ・サーチカードの多様化にあります。
冒頭で述べたように、『ドローは手段であり目的ではない』ので、目当てのカードを引き込むことができれば不確定要素の高いドローソースを採用する理由が乏しくなります。
この3つの理由を掘り下げていきましょう。
環境の高速化でドローソースがデッキから消える?
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):手札のモンスター1体を相手に見せる。
種族・属性・レベル・攻撃力・守備力の内1つのみが見せたモンスターと同じとなるモンスター1体をデッキから選んで確認し、手札から見せたモンスターを裏側表示で除外する。
さらに、種族・属性・レベル・攻撃力・守備力の内1つのみが確認したモンスターと同じとなるモンスター1体をデッキから手札に加え、デッキから確認したモンスターを裏側表示で除外する。
代表的なカードとしては《スモール・ワールド》の登場ですね。
モンスターであれば、ほぼどんなカードでも最大6枚体制で採用できるようになりました。
『①初動札を引き込む確率を少しでも上げる』ためなら、多少のアド損は許容できるという認識の変化も起きています。
また、1枚初動という考え方が一般的になったことで、理想的な展開のために多くの手札を確保する必要がなくなり、結果としてドローソースの採用減少に繋がっています。
環境デッキではメインデッキから採用されるドローソースは《三戦の才》や《増殖するG》などドロー以外の役割を果たせるカードへと置き換わっていきました。
初動の確保として《強欲で金満な壺》や《強欲で貪欲な壺》を採用するデッキはまだまだありますが、闇属性デッキにおいても《闇の誘惑》すら採用されなくなったのは時代の流れを感じますね。
手札は質の高さが重要です。
不必要なドローソースの採用はかえって手札事故を起こすリスクを増やしてしまいます。
昔は当たり前だった『とりあえずドロソ入れとけ理論』は通用しないので、復帰プレイヤーの方はぜひ覚えておいてください。
メインデッキのドローソースはリスクが高い?
あらゆるドローソースは採用率トップクラスの《灰流うらら》によって妨害されます。
今やカジュアルデュエルにおいても頻出しており、妨害リスクの高さは無視できません。
これを逆手にとって初動を確保するためのドローソースを囮に使うといったプレイングもありますが、ドローソースを積極的に採用する理由には少し乏しいところがあります。
特に《堕天使イシュタム》や《トレード・イン》といった手札コストを必要とするドローソースはさらに逆風であり、妨害されると手札が減った状態からスタートすることになってしまいます。
目に見えてハンドアドバンテージが見えるドローソースは、餌食になりやすいのです。
また、ゲーム終盤において発動条件のあるドローソースを引いた時の弱さもあります。
基本的に汎用性の高いドローソースは「序盤に引くと強いが終盤に引くと弱い」or「序盤に引くと弱いが終盤に引くと強い」のトレードオフの関係となっています。
ドローソースであるというだけで一定の手札事故のリスクがつきまとうといってもいいでしょう。
よって、ドローによる手札増強はEXデッキから出せるモンスターで賄うと便利です。
必要な場面で呼び出せることができれば、手札事故のリスクを軽減しつつ安心して使えます。
これは《デコード・トーカー・ヒートソウル》や《鎖龍蛇-スカルデット》が分かりやすい例になってくれます。
サーチカードの多様化
サーチカードだけでなく墓地肥やし等のアクセス手段が増えたことも拍車をかけています。
モンスターカードは蘇生・サルベージ・帰還でも活用できるようになり、罠カードは《トラップトラック》《天獄の王》など使いやすいカードが本当に増えました。
未だにサーチ手段が少ないのは魔法カードだけとなっており、ドローソースでしかアクセスできないカードは魔法カードになりやすいといえます。
《サンダー・ボルト》や《ハーピィの羽根帚》を簡単にサーチできるとゲームバランスが壊れてしまうため、今後もこの傾向は続くと思います。
ドローはアクティブ化の手段の1つ
ここまでを軽くまとめるとドローはアクティブ化の手段の一つにすぎないということが分かります。
デッキに眠っていてカードが使えない状態を非アクティブ状態だとすると、手札・フィールド・墓地・除外ゾーンにおくことでアクティブな状態にできるといえます。
デッキにあるカードをいつアクティブ化できるのかは構築段階で見定めることができるので、ドローソースを採用する場合は気をつけておきたい部分です。
ドローの最大の利点は相手に情報アドバンテージを渡さずにアクティブ化できることです。
《原始生命態ニビル》や《ドロール&ロックバード》などの手札誘発を引き込むと感覚的に分かりやすいですね。
相手からは見えない状態でのアクティブ化をうまくプレイングに落とし込んでいくことで、ドローソースの価値を高められるということはぜひ覚えておいてください。

アクティブ化ってあんまり聞きなれないけど…
デッキビルドには思考の言語化が必要ってこと?

よく気づいたね。思考の言語化はより高度なデッキビルドに必須よ。
現実の世界でも役に立つから少しずつ試していくといいわ。
ドローソースの種類
ドローソースにはいくつかの種類が存在します。
積極的にドローソースを採用するのであれば、以下のデッキタイプのいずれかに当てはまるはずなので参考にしてみてください。
主なカード:《闇の誘惑》《手札抹殺》《チキン・レース》など
特徴:手札交換的な挙動をする コストは軽いがドロー枚数は少なめ
主なカード:《命削りの宝札》《時を裂く魔瞳》《強欲で金満な壺》など
特徴:明確に手札が増える代わりにデメリット・コストが重い
主なカード:《補給部隊》《切り裂かれし闇》《一点着地》など
特徴:目立ったコストやデメリットがない永続カード、ただし除去されやすい
まとめ
●相手に情報を渡さずにアクティブ化できる
●不確定要素の高いドローはデッキの質が求められる
●増やした手札でどうやって戦うかが決まっていて意味を持たせられる
デッキビルド講座①ドロー編でした。好評であれば他にも挑戦していきます。
初歩的なことから学びなおすと新たな視点に気づいたり、採用理由が明確になってデッキの回転が良くなったりします。
自分だけのデッキビルド理論の構築にぜひお役立てください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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